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「何者」 就活ってそういうところがつらいんだよね

小説の「何者」を読んだんですが、すごくドキドキして読めました。久しぶりに面白い本を読めたなあという感じでした。就活中のいろんなタイプの人が出てきます。自分は就職は向いていないとか、アーティストみたいな仕事をしていくとみんなに宣言する男子学生の人。グループディスカッションで学祭実行委員や海外留学をアピールしすぎたりして内定が取れない女子学生の人。あんまり対策をしないんだけど、コミュニケーション能力にすぐれているので内定が取れる男子学生の人。ちゃんと就活の対策もするし、コミュニケーション能力に優れていて大企業に内定が決まる優秀な女子学生の人。語り手の主人公が、そういう学生たちを見ていろいろ言います。主人公が余裕たっぷりに色々言うので、うまくいっているんだろうと思うのですが....。

「就活の何が辛いのか」についての主人公の見解

 就活がつらいものだと言われる理由は、ふたつあるように思う。ひとつはもちろん、試験に落ち続けること。単純に、誰かから拒絶される体験を何度も繰り返すというのは、つらい。そしてもうひとつは、そんなにたいしたものではない自分を、たいしたもののように話し続けなくてはならないことだ。

 この言葉はすごく共感できました。面接官はネガティブな発言をしようものなら、そこを攻撃してくるので、弱みは見せられない。だけど、もともとたいしたことのない自分だから非の打ち所が出てきてしまいます。

人生が線路のようなものだとしたら

人生が線路のようなものだとしたら、自分と全く同じ高さで、同じ角度で、その線路を見つめてくれる人はもういないんだって 生きていくことって、きっと、自分の線路を一緒に見てくれる人数が変わっていくことだと思うの 今までは一緒に暮らす家族がいて、同じ学校に進む友達がいて、学校には先生がいて。常に、自分以外に、自分の人生を一緒に考えてくれる人がいた。いつだって、自分と全く同じ高さ、角度で、この先の人生の線路を見てくれる人がいたよね これからは、自分を育ててくれた家族を出て、自分で新しい家族を築いていく。そうすれば、一生を共にする人ができて、子供ができて、また、自分の線路を一緒に見てくれる人が現れる そういうことだと思うんだ

 これは就職活動をする気が無くて、フリーランスで何かやりたいと言っているのに、ツイッターで「いろんな人と会って人脈を広げてる」みたいなことを言うだけで、何もしない男子学生に優秀な女子学性が説教する場面でのセリフです。このシーンはしびれるほど面白かったです。この後に大人になると誰も過程は見てくれない。未熟なものでも何かを見せないと評価すらできないみたいなことを言うんですが、この意見からすると、「俺はまだ本気を出してないだけ」とか言ってる人も怒られるんでしょうね。自分も頑張らなければと思うセリフでした。

本を全部読み終わって思ったこと

就職活動は絶対に恥をかかないといけないし、かっこ悪い姿を晒さなければならないもの。だから、そうやって頑張ってる学生を俯瞰で眺めて、俺だけはそんなことしなくても企業は俺のいいところを見つけてくれて内定が決まるはずだと思っていても絶対にうまくいかない。かっこ悪くてもいいんだよ、積極的に就活しなよと言っているように思いました。就活生の背中を押してくれるいい本だと思いました。